ケイコの稽古良い会議をするために寄付・助成金を貰って活動する企画書を書く

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さいたまNPOセンターの専務理事の村田恵子さんによる市民活動技術のアドバイスです。

ケイコの稽古-市民活動技術編

「市民運動」という言葉に対して「市民活動」と言う言葉を編み出したのは、 当時、トヨタ財団のプログラムオフィサーだった山岡義典氏(現法政大学教授)と言われている。 それは「トヨタ市民活動助成事業」と共に全国に広がっていった。
 23年前、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の日本事務所を訪れたら、 「UNHCRの活動と役割」と書かれた黒いパンフレットがあった。 この題名をつけたのは、故栗野鳳氏(UNHCR顧問・元カンボジア大使)。 黒い洗練された表紙と共に、公共機関の仕事を「活動」としたその訳をカッコイイと思った。
 こうして1980年代後半から私は「市民活動」という言葉になじんでいった。 勝手なイメージだが、「運動」を動かすのは、怒り、正義感などの「情熱」。 「活動」を動かすにのは、職人がコツコツ物を創るがごとき「技術」のような気がする。 この間、「運動派」の私が、稽古して身に付けてきた「技術」を公開したい。 知っている人はお笑い種に、知らなかった人は早速やってみて下さい。

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第1回 良い会議をするために

良い会議、8つのコツ

「会議が成立しない」「会議が長い」「会議で話がまとまらない」など、
会議の悩みは深い。良い会議をするための8つのコツを挙げてみる。

1)会議は決めた時間に開始する。
 もちろん、途中参加の人には経過説明をする。遅れた人に合わせると会議時間が守られなくなる恐れが強い。

2)司会は代表がしない。
 一番発言したいのが代表なので、別の人に司会をやってもらう。 別の人にやってもらうには、その人に会議の獲得目標を説明しなければならないので、 少なくとも2人は確実に会議に目的を知る人間がいることになる。

3)レジュメは報告と議題に分け、所要時間を入れる。
 レジュメは項目ごとに一行でもいいから必ず書く。 そして、項目の横に(〇分)と予定の所要時間を入れておく。 長々と発言する人への牽制ボールみたいなものである。 特に女性だけの会議は「ピアカウンセリング」のようになるときがある。 それは会議終了後に行うことにして、カウンセリングを行なうためにも会議は短時間に行おう。

4)持ち回りで記録を取ろう。
 そうでないと、会議に来られなかった人が置き去りにされてしまう。 パソコンができる人がいたら、その場で打つようにしてもいい。

5)アイディアを出したい時はKJ法を使う。
 ポストイットや小さい紙を使って、1枚に1項目を誰にも相談せずに、まず自分で5分間考える。 それからみんなでそれを出し合う。結構、思わぬアイディアが飛び出す時がある。

6)発言を全て書き出す。
 意見が混乱してきたら、個々の発言を模造紙にそのまま書いてみる。 ホワイトボードでもいいが、模造紙だと記録になる。 書き出して眺めてみると、対立点や共通の意見がはっきりしてくる。これを元に再度、討論しよう。

7)表組みにしてみる。
 問題を分析したい時、カテゴリー化したい時に使う。全員が同じように理解するのは難しい。 共通の認識ができるように視覚化してみよう。

8)最後にこの会議は良かったか、どうか3分間の感想タイムをとる。
 これは吉田新一郎さん(「会議の技法」中公新書の著者)が言っている。 私は帰り道に一人で行なうが、全員で行なえば良い会議に近づけるだろう。

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第2回 寄付・助成金を貰って活動する

いつまでも手弁当とはいかなくなったら

 活動が活発になって、行なう活動や行事、イベントの回数が増えてくると、 いつも手弁当で行なうのが経済的に苦しくなって来る場合がある。 さいたまNPOセンターでも、活動が活発な月は、コピーのトナー代や紙、インク、電気代、光熱費が倍増してくる。もちろん、交通費もである。
 余談だが、私にとって「ポスター貼り」は鬼門の活動である。 ポスター貼りの途中、車を柵にぶっつけて、 20万円の板金代を支払ったことや、 パンクをして、2万5千円かかったこともある。自分のミスなので当然自前。
 でも泣けてくる―。こういう時は「♪花も嵐も踏み越えて、行くは女の生きる道・・・」 と歌ってごまかすことにしている。(本当の歌詞は「男」です。古い歌だね)

1)寄付を依頼する
 さて、活動にお金がかかるようになったら、どうしたらいいか。まず、考えられるのが、寄付を依頼してもらうことである。 知り合いの事業所や、その市民活動に理解がありそうな企業などを回り、依頼する。 こうした時に必ず作らなくてはならないものは、「依頼文」と 「企画書&予算書」。 個人商店なら、商店主にお願いすればいいが、組織的決済を受けるものにはやはり、文書が必要だからだ。 そして、決済には時間がかかるので、少なくとも返事がほしい日から逆算して、2、3週間前に提出したい。 つまり、泥縄式のイベントには向かない。依頼する前に企画案を練り、予算書を作り、仲間の了解を取る必要がある。
 ただし、事業所などでは、「寄付」としては出しにくい場合がある。 なるべく、事業所が「広告代」などの経費で決済できる形がいいようである。 その場合は、パンフレットやチラシに広告を出してもらうとか、イベント会場などに広告媒体を出してもらうなどの対価として貰う、などの工夫が必要である。
 さて、依頼文を持って事業所を訪問することになるのだが、経験者からいうと、これは1種のセールスである。 ここがボランティア活動と、NPO活動の違いになってくるのかもしれない。 活動をより専門的に、そして広範囲に行なうために、そしてそれを繰り返し行なうために資金が必要なのである。 そこを理解してもらわないと、日本にNPOは育たない。
 そして、活動を理解して、支援をしましょう、という事業所に出会うと、寄付依頼も活動を広める1つの活動なのだと気づく。 ぜひ、1度は「寄付金」で事業をやってみることをお勧めする。

2)助成金を申請する
 さて、「寄付」と共にNPOの大きな資金源が「助成金」である。 正直いって、「寄付」よりも、手間はかからない。申請書を出すだけだからだ。 しかし、NPO法人が2万団体を越す現在、その競争率は高い。 関西のある中間支援センターでは、助成申請のアドバイスを行い、申請が通ればその総額の何%かを手数料に貰っていると言う。 つまり、「申請」のプロが生まれつつある。 その中で、審査員の1票を貰える活動や事業をいかに申請書でアピールできるかが、問われている。

助成金の趣旨や特徴を知る

 旧越谷NPOセンターが初めて助成を受けたのは2002年。「おじさん変身講座」で、日本財団からであった。 その前年に同じような内容で、T財団に申請したが、不採用となった事業だ。 なぜ、そうなったのだろうか。 日本財団が助成先に望んでいた事業は「先駆性があり、今後、他の地域でも展開できるような事業」だった。 一方、T財団は、「市民自らが研究調査を通して行うまちづくり事業」が、毎年、採用されていた。
 つまり、助成金ごとにミッションがあり、それに基づいて選考しているのである。 まず、助成金の趣旨と過去の採用事業を調べることが必要だ。 幸い、助成情報はシーズ等のホームページで掲載されている。 また、過去の採用例は助成団体のホームページに詳しい。 助成情報の獲得には何と言ってもインターネットの活用をお勧めする。
 県内の助成情報については「さいたまNPOセンター」SANPOメーリングリストをお勧めする。
無料で加入でき、埼玉県レベルの助成内容をさまざまな団体が書きこんでくる。
自分たちの事業にあった助成金をまず探そう。

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第3回 企画書を書く

事業名に頭をひねろう

 前回の「寄付・助成金をもらって活動する」でも書いたように、どちらにも「企画書」が重要なポイントになってくる実際、 「どうやって申請書を書くの?」とか、「企画書の書き方」という本が出ているので、私も1冊買ってみたことがある。 NPO向けではないので、参考になったのは、ほんの1~2ページだった。 でも、1~2ページでもこの種の本は、“「企画書」とはなんぞや”という基本がわかるので読んでおいたほうがいいだろう。
 企画書を書けるようになる近道は、良い企画書を何枚も読むことである。
 雑誌記者をしていた時、毎月のように記事の企画を書かなければならなかった。 先輩の支持は「企画ごとにA4・1枚にまとめて、それに資料をつけろ」というだけだった。 私が書いていくと先輩が見てくれるのだが、まず、小見出しをつけて、表組みにしたところを「読みやすい」と誉めてくれた。 次にざあっと読むと、万年筆でタイトルを変えた。
 今でも覚えているが「どっこい、女は生きている」というものであった。 私は正直、古いと思ったが、私のタイトルよりは泥臭くても強烈だった。まずは「人目をひくタイトル」という考え方があったのだろう。
 これは、助成金申請の時にも参考になると思う。たいてい、助成金は書式が決まっているので、ある意味書きやすい。 「目的」「事業内容」「個人や社会に与える効果」「事業体制」「予算」などが、項目の定番ではないだろうか。 だから、項目別に書いていけばよい。そこで一番凝らなければならないのは事業名である。 これは一人で考えないでブレーンストーミングをすると結構、名案が浮かぶものである。
 次に先輩に直されたのが、内容の順番である。勢いで書けば大抵、一番言いたいことは最初に書くが、 ひねくりまわして書いていると、順番を間違えてしまう。どういう順番で書いたほうが訴求力があるのか、考えたほうが良い。
 たとえば「目的」の項では、自分たちが第1目標にしていることを的確な言葉で最初に書いているだろうか。 その次に価値を置いている目標を2番目に書いているかどうか。もちろん、誤字・脱字は知性を疑われるので、読みなおしてチェックしよう。

ミッションか、事業か

 ある助成金担当者が、「皆さんのミッションに優劣をつけているのではなく「事業」で判断させていただいているのです」といっていた。
 最近、公開プレゼンテーションで団体のミッションは現代的課題をとらえていて素晴らしいが、事業計画はめちゃくちゃというのに出会った。 上記の担当者だったら、当然、助成対象から外すだろうが、その審査員たちは、団体のミッションに共感したのだろう、採用された。
 だから、採用基準はそれぞれの助成団体の考え方で違うとしかいいようがないが、 一般的にその団体のミッションよりも事業計画がしっかりしているかどうかで判断することが多い。
 実績のない団体ほどミッションを長く書き連ねる傾向がある。事業計画の方をなるべく具体的に書きたい。

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